目次
- 度数とは
- コードの構成音
- D、Dm、D△7、D7、Dm7を度数から考える
- コードは派生させて覚える
- コード表通り押さえているのに何故かしっくりこない
- テンションコード
- アドコード/addコード
- オンコード/onコード
- ダイアトニックコード
- ディグリーネーム
- マイナーキーのダイアトニックコード
- ドミナントモーション
- ダイアトニックコードを覚えることのメリット
- 最初に押さえておくべき重要なコードは6つだけ
度数とは
度数は基準となる音からどれくらい離れているかを表します。例えば、ドを基準とすると、ミは3度の音になり、ソは5度の音になります。この場合ドが基準の音になります。 基準の音を「ルート」と言い、英語のRootの頭文字をとってRと記されることもあります。

2度・4度・6度はそれぞれ9度・11度・13度と表現することもあります。1オクターブ上まで続けていくとオクターブ上のレが9度に、ファが11度、ラが13度になるからです。表現は異なりますが意味は同じです。
次に、ギターの指板上で度数を考えてみましょう。
指板上で任意のポジションからドレミファソラシドと弾いてみてください。このポジションを度数に置き換えると下図の様になります。基準となるドの音がルート(R)、そして、ルートから見たそれぞれの音の度数が数字で表されます。

コードの構成音
コードの構成音には一定の法則があります。この法則を覚えておけばコードフォームのポジションを忘れてもコードを組み立てることができます。また、どのコードが何個の音で構成されているのかも合わせて覚えておくとよいでしょう。
コードを度数から考える時の大きなポイントは以下の4つです。
- 〇、〇mのコードは「ルート・3度、5度」の3和音で構成。
- 〇△7、〇7、〇m7は「ルート・3度・5度・7度」の4和音で構成。
- m(マイナー)が付いたら3度の音を半音下げる。
- 7(セブンス)がついたら7度の音を半音下げる。但し、△(メジャー)系は除く。
それでは上のポイントを踏まえて実際にコードを作ってみましょう。
D、Dm、D△7、D7、Dm7を度数から考える
例としてローコードのD、Dm、D△7、D7、Dm7を度数から考えて作っていきます。形だけで覚えている人にとってはちょっと混乱してしまいそうなコードフォームですよね。
まず、基準となる4弦開放弦のDからドレミファソラシドを弾き、基準となるDをルートとして度数に直します。

【D】
Dコードの構成音は、ルート・3度・5度の3和音です。指板上に重複する度数の音がありますがどこの音を選ぶかは自由です。コードの構成音を全て鳴らせて押さえやすい場所を好きに選んで構いません。オクターブ違いの同じ度数の音が重複しても問題ありません。ルートの音が一番低い音である必要もありませんが慣れるまではルートの音を一番低い音にすると分かり易いです。
押さえ方一例として、今回は下図のように押弦しました。ルートが4弦と2弦、3度が1弦、5度は3弦です。

【Dm】
Dmコードは「m」が付くのでDコードの3度の音を半音下げます。構成音はルート・♭3度・5度の3和音です。

【D△7】
D△7コードはDコードに7度の音を加えます。△(メジャー)系のコードは7度の音を加えます。構成音はルート・3度・5度・7度の4和音です。

【D7】
D7コードは「7」が付くのでD△7コードの7度の音を半音下げます。構成音はルート・3度・5度・♭7度の4和音です。

【Dm7】
Dm7コードは「m」と「7」が付くのでD△7コードの3度と7度の音をそれぞれ半音下げます。構成音はルート・♭3度・5度・♭7度の4和音です。

【おまけ・Dsus4】
Dsus4コードはDコードの3度の音を4度に変更します。構成音はルート・4度・5度の3和音です。

この様にポイント押さえておけば度数からコードを導き出すことができます。
コードは派生させて覚える
もう一つ例を挙げて、次はよく使うバレーコードのGコードで、G、Gm、G△7、G7、Gm7をそれぞれの度数との関係を見ていきましょう。

この様に基本となるコードから一定の法則に従って派生させていくことでいろいろなコードを作ることができます。

【補足ポイント】
- sus〇:3度の音を〇度に置き換える。
- 〇add■:addの〇のコードに■度の音を加える。
- 〇on■:〇のコードにベース音に■の音を加える。
- ○dim:dimの〇のコードのルート以外の音を半音下げる。
注)〇dim7は〇7のルート以外の音を半音下げるので7度は♭♭7(=6度)になる。
コード表通り押さえているのに何故かしっくりこない
弾き語りのようなコード譜を見ながら弾いてみたけどなんとなくコードの響きがしっくりこない。という経験がある方はいませんか。原因はギターという楽器の構造上の理由にあります。
ギターには同じ音が違う弦にも複数存在することです。このにより同じコードネームでもコードの構成音の組み合わせがたくさん存在します。このコード構成音の組み合わせのことをコードヴォイシングといいます。前後のコードと自然に繋がるようなコード構成音の組み合わせ(コードヴォイシング)を見つけ出す必要があります。
それでは具体的に同じコードを様々なコードヴォイシングで弾いてみましょう。下図はC(ド)をルートとした度数を指板上に表したものです。Cコード(ルート、3度、5度の3和音)を色々な指板上で作ってみましょう。

C型と呼ばれるコードの抑え方です。オープンコードのCの押さえ方です。

A型と呼ばれるコードの抑え方です。オープンコードのAの押さえ方をスライドさせたポジションです。B型とも呼びます。

G型と呼ばれるコードの抑え方です。オープンコードのGの押さえ方をスライドさせたポジションです。全部のポジションを押さえる事が難しい場合は、重複している度数の音を省略する場合もあります。

E型と呼ばれるコードの抑え方です。オープンコードのEの押さえ方をスライドさせたポジションです。F型とも呼びます。

D型と呼ばれるコードの抑え方です。オープンコードのDの押さえ方をスライドさせたポジションです。全部のポジションを押さえる事が難しい場合は、重複している度数の音を省略する場合もあります。

このように、オープンコードのコードフォームをそのままスライドさせる事で5種類のコードヴォイシングができます。それぞれの型の名前をとってCAGED(ケイジド)システムと呼ばれたりもします。
参考までに、〇m、〇△7、〇7、〇m7それぞれのコード用の指板上の度数図を用意しました。同じ要領でいろいろなポジションのでのコードヴォイシングを探してみてください。
【〇m】3和音 : ルート・♭3度・5度

【〇△7】4和音 : ルート・3度・5度・7度

【〇7】4和音 : ルート・3度・5度・♭7度

【〇m7】4和音 : ルート・♭3度・5度・♭7度

【補足ポイント】
- 色々なコードヴォイシングを覚えるときには、出来る限り度数と合わせて覚えましょう。全ての度数を覚えるのが難しい場合はルートと3度の位置だけでも把握しておくと実践で役立ちます。
- ジャズギターでは重複される度数の音や他の楽器(ベースやピアノ等)とのアンサンブル上重要ではない音を省略して、3~4和音の必要最低限の構成音でコードヴォイシングをすることが多いです。
テンションコード
テンションコードとは、ベースとなるコードにテンションノートを追加したコードになります。ざっくりとした説明になりますがテンションノートとは9度、11度、13度の音のことです。

コードの作り方はこれまでと全く一緒です。どのコードが何個の和音で構成されているかを覚えて、一定の法則に従って派生させていきます。
では実際にC△9コードと作ってみましょう。これまでと同様にC(ド)をルートとして、C(ド)からの各音の度数を確認し、2度は9度、4度は11度、6度は13度に置き換えます。

C△9は、C△7にテンションノートの9度の音を追加したコードです。つまり、構成音は、ルート・3度・5度・7度・9度の5和音になりますが、全てを押えるのは難しいので1弦と6弦の5度の音を省略します。

このように、ギターの場合同時に鳴らせる音の数が最大6音であること、また、物理的に押弦することが困難な場合も多いために構成音の一部を省略することはよくあります。省略する音の選択は状況によります。前後のコードとの繋がりやバンド形式なのかソロギターなのか等にも依ります。(省略した音を他のパートの楽器がカバーできるかどうか等。)

【テンションコードのポイント】
- 〇9は基準となるコードに9度の音を追加する。構成音は5和音。
- 〇11は基準となるコードに9度、11度の音を追加する。構成音は6和音。
- 〇13は基準となるコードに9度、11度、13度の音の音を追加する。構成音は7和音。
注) 〇6コードと〇13コード
6度と13度は同じ度数の音ですが、C6とC13は異なるコードです。C6コードはルート・3度・5度・6度の4和音構成のコードですが、C13コードはルート・3度・5度・♭7度・9度(2度)・11度(4度)・13度(6度)の7和音構成で、つまり、C7にテンションノートを追加したコードなります。
アドコード/addコード
アドコードはaddの後に表記されている度数の音を追加するだけです。例としてCadd9というコードはCコードに9度の音を追加します。Cコードの構成音のルート・3度・5度の3和音に9度を追加すると、ルート・3度・5度・9度の4和音のコードになります。フォークギター等でCコードをこのCadd9に置き換えて演奏することはよくあります。

余談ですが、C△9コードとの違いは7度の音の有無です。C9コードとの違いはC9はC7系のコードの派生型になるので♭7度が含まれます。
| コード名 | 構成音 |
|---|---|
| Cadd9 | ルート・3度・5度・9度 |
| C△9 | ルート・3度・5度・7度・9度 |
| C9 | ルート・3度・5度・♭7度・9度 |
オンコード/onコード
オンコードはonの後に表記されている音をベース音(一番低い音)に追加します。例として、DonFコードの場合はDコードにベース音のFを追加します。Dコードの構成音のルート・3度・5度の3和音にF#を加えます。
addコードの場合はaddの後は度数でしたが、Onコードの場合はonの後は音名になります。

【補足ポイント】
- Onコードも実際によく使うのは上図で紹介したDonF#型とFonG型です。onのベース音が5弦になるポジションも合わせて覚えておくと便利です。
ダイアトニックコード
ダイアトニックコードとは一定の法則に従って出来ているコードまたはコード群を指します。ダイアトニックコードの細かな理論的説明は省略しますが、ほとんどの曲はダイアトニックコードを基に成り立っていると思ってください。ダイアトニックコードをそのまま使っている曲もありますし、代理コードやテンションノートを加えて装飾したりする事も多いです。
【ダイアトニックコードの構成】
3度ずつ離れた音を重ねて和音(コード)を作っていきます。例として5線譜で見ると分かり易いですがドミソ、レファラの様に1音づつ飛ばして音を重ねていきます。音の重ねる数は3和音と4和音の2つのタイプがあります。

このようにしてできたコード群がダイアトニックコードです。
ディグリーネーム
ダイアトニックコードは各コードはローマ数字で表されディグリーネームと呼ばれます。
これは曲のキーに関わらずコード進行を表したい場合に用いられます。例としてキーがCで「C△7⇒F△7⇒G7⇒C△7」とというコード進行をディグリーネームで表すと「Ⅰ Ⅳ Ⅴ Ⅰ」となります。また、「Ⅰ Ⅳ Ⅴ Ⅰ」のコード進行でキーがAの場合は「A△7⇒D△7⇒E7⇒A△7」となります。
ディグリーネームをいつ使うのかという疑問を持つかもしれませんが、各コードにはそれぞれ働きがあります。特定のコード進行において有効なフレーズやスケールがある為ディグリーネームを使用した方が理解し易い場合があります。

マイナーキーのダイアトニックコード
これまで説明したダイアトニックコードはメジャースケールを基準としたメジャーキーのダイアトニックコードです。マイナーキーのダイアトニックコードはマイナースケールを基に同様の法則で構成されていますが、細かな説明は省略してマイナーキーのダイアトニックコードの覚え方だけ紹介します。
メジャーキーのダイアトニックコードは「〇△7 - 〇m7 - 〇m7 - 〇△7 - 〇7 - 〇m7 - 〇m7(-5)」という並びになっています。マイナーキーのダイアトニックコードは「〇m7 - 〇m7(-5) - 〇△7 - 〇m7 - 〇m7 - 〇△7 - 〇7」です。メジャーキーのダイアトニックコードを6番目のコードからスタートすると同じ並び方になります。

上図はキーCのメジャーダイアトニックコードとキーAのマイナーダイアトニックコードの比較です。どちらも使っているコード群は同じです。但し、キーが異なるのでディグリーネームが異なります。「Cメジャー」=「Aマイナー」の関係を押さえておくとよいでしょう。
また、ダイアトニックコードは5度圏(Circle of 5th)を使って確認することもできます。

ドミナントモーション
理論的なものをざっくり割愛して説明しますと、ドミナントモーションとはⅤからⅠへのコードの流れのことです。Ⅰコードは非常に安定感のあるコードで曲の最初、最後、サビの最初で使われることが多いです。対してⅤコードは非常に不安定感があるためにⅠコードへ繋がると終止感が生まれます。この「Ⅴ→Ⅰ」の流れは曲中によく出てくる為、このコード進行中に使える定番フレーズがあります。例として、ジャズの定番フレーズである「ツー・ファイブ・フレーズ」または「ツー・ファイブ・ワン・フレーズ」は「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」のコード進行で使えるフレーズのことを指します。
ドミナントモーションに関しては理屈で覚えるよりコードの流れを感覚で覚えた方が分かり易いです。
【コードファンクション】
- トニック : Ⅰ△7(安定感がある)
- ドミナント : Ⅴ7(不安定でⅠへ繋がりたがる)
- サブドミナント : Ⅳ△7(不安定だけどⅤ7ほどではない)
- トニック・マイナー: Ⅰm7(安定感がある)
- ドミナント・マイナー : Ⅴm7(不安定だけどⅣm7ほどではない)
- サブドミナント・マイナー : Ⅳm7(不安定でⅠm7へ繋がりたがる)
[メジャーキーの場合]
[マイナーキーの場合]
ダイアトニックコードを覚えることのメリット
【コピーや作曲をする時に効率アップ】
ダイアトニックコードは7つしかありません。このコードを基本にコピーや作曲をすると効率が上がります。ダイアトニックコード以外のコードが使われる場合もありますが、全く知識もなく沢山あるコードから適したコードを探すのは大変な作業です。
【アドリブやメロディを作る際の注意すべき指標になる】
ダイアトニックコード内ではキーのメジャーまたはマイナースケールを音を使ってメロディを組み立てれば外れることはありません。一方で、ダイアトニックコード以外のコードで出てきた場合には注意が必要だという指標になります。
【各コードに役割があることを理解する】
”スケール”の項目で解説しますが、Ⅴは不安定で緊張感がありⅠへの繋がると終止感が出る等のコード毎の役割があり、各コードの役割毎に使えるフレーズやスケールがあります。色々なスケールを覚えても使える場面を理解していないと折角覚えたスケールを有効に使うことができません。
最初に押さえておくべき重要なコードは6つだけ
一通りコードについて解説してきましたが、最初に押さえておく重要なコードは、3和音のメジャーとマイナーコード、それと4和音のメジャー、メジャーセブンス、マイナーセブンス、マイナーセブンス・フラットファイブが追加されて合計6個だけです。マイナーセブンス・フラットファイブはダイアトニックコードに含まれるので重要コードに含めていますが、他のコードに比べて使用頻度がそれほど高くありませんので実質5個とも言えます。コードがたくさんあって覚えるのが大変と思っている方もいるかもしれませんが、まずはこの6個を覚えれば殆どの曲はカバーできます。
また、ナインス系のコードもよく出ますが「4和音セブンス系コード+テンションノート」として把握しておけば怖くはありません。そして、イレブンスやサーティーンス系のコードは殆どでません!ギターは弦が6本しかないので6和音や7和音のコードはギター向きのコードではありません。addコードやonコードのような変則コードはその都度度数からコードを導きだしてください。
まとめ
以上でコード編は終了となります。如何でしたでしょうか? 色々なコードを度数から作れるようになったかと思います。ギターは構成音を知らなくてもコードやスケールを形で覚えがちですが、コードの理解を深めることは作曲やアドリブ演奏等のステップアップに繋がっています。スケール編も合わせてご覧頂ければ幸甚です。